日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
市販弁当の細菌汚染について
上田 成子青木 薫江口 明美長田 由起子渡辺 愛弓桑原 祥浩
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1980 年 27 巻 1 号 p. 33-36

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抄録

1978年5月から9月までの間に購入された市販米飯(弁当及び“むすび”)108検体についてその細菌汚染状況について検索を行なった。
(1) 全材料108検体のうち約70%に相応する77検体の米飯が105/g以上の菌数を示し,細菌汚染度が全体として高いことを示した。そして時期的にみて6, 7月がとくに汚染度が高かった。概してその汚染度は小型店より大型店で購入したものの方が汚染度は低かった。
(2) 米飯汚染菌叢を検査した結果,グラム陽性球菌及びグラム陽性桿菌はそれぞれ全体の42.7%及び25.7%を占め,芽胞形成菌は16.9%しか検出されなかった。とくにグラム陽性球菌の汚染度は5月に最も高く,グラム陽性桿菌は9月に最も高率に検出された。なお,グラム陽性球菌のうち2株がS. aureusと同定され,また,芽胞形成菌のうち25%(96株中24株)がB. cereusと同定された。

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