日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
シイタケの鮮度保持に関する研究
南出 隆久鶴田 誠緒方 邦安
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1980 年 27 巻 10 号 p. 498-504

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抄録

わが国で最も多く生産され,生食用としての利用が伸びてきているシイタケの収穫後の鮮度保持をはかるため,包装方法や高濃度炭酸ガス(CO2)短期間処理の効果について検討した。
1) シイタケを貯蔵する場合,ヒダを上向きにしたものが,下向きのものよりヒダの外観が良かった。遊離アミノ酸含量はヒダを上向きに貯蔵したもので増加した。
2) シイタケはヒダを上向けにして厚さ30μのポリエチレンフィルム袋に非密封包装し, 1°, 6, 15°,20℃の各貯蔵温度下における品質保持期間について調べた。 1℃では, 18日, 6℃では14日, 15℃では7日, 20℃では4日で商品性限界となった。また,貯蔵温度の変動が少ないほど鮮度が保持された。
3) ポリエチレンフィルムの厚さ(20μ~80μ)や,有孔・無孔および密封・非密封包装などによる鮮度におよぼす影響について検討した。使用するフィルムは厚い方(80μ)が良く,無孔包装することでかっ変発生を抑え,鮮度が保持された。また,CO2置換密封包装が一層の品質保持効果のあることを認めた。
4) 室温(20℃)貯蔵する場合は,高濃度CO2処理を1日することで鮮度保持ができることを認めた。

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