日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
豆腐ゲルのテクスチャーとその評価
大豆タンパク質のゲル化に関する食品工学的研究(第1報)
三浦 芳助米安 実
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1981 年 28 巻 1 号 p. 36-40

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抄録

豆腐製造工程の合理的な運転条件の決定を行う際の基本的な指標を得る目的で,豆腐ゲルのテクスチャーについて,テクスチュロメーターと官能検査を併用して解析を行い,次の結果を得た。
1) 木綿豆腐・絹ごし豆腐ともに,ゲルの硬さと付着性の間には正の相関が認められ,その関係は,(1),(2)式のように整理できた。
2) 豆腐の品質に大きな影響を及ぼすゲルの硬さに関しては,テクスチュロメーターによる測定値と感覚的な測定値との間に,高い相関(r=0.976)が認められた。
3) 豆腐ゲルとして最も好ましいと感じる硬さは,0.4T.U.前後であることが判明した。
4) 以上の結果より,テクスチュロメーターで測定される硬さが,豆腐の品質評価を行う場合,さらに豆腐製造工程の最適操作条件を設定する際に,有用な指標となることが示唆された。

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© 社団法人 日本食品科学工学会
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