包装食肉製品などで発生するヘテロ発酵型乳酸菌による膨脹変敗を,ホモ発酵型乳酸菌の抗菌作用を利用して防止できるかどうか検討してみた。
(1) ホモ発酵型乳酸菌24株のうち,ヘテロ発酵型乳酸菌の増殖,及びガス生成を抑制できる最も有効な株として,N-50株(Pediococcus cerevisiae)をスクリーニングした。
(2) ガス生成の最も強いヘテロ発酵型乳酸菌Tk-1株(Lactobacillus cellobiosus)に対するN-50株の抗菌作用は主としてMn++の拮抗によるものであることがわかった。さらに,Tk-1株のガス生成量も,N-50株の増殖量も培地のMn++含有量に大きく依存することが確認できた。
(3) Mn++飢餓状態で好気培養したN-50株の菌体と短時間接触処理することで,培養液からMn++を吸着除去することが出来た。N-50株のMn++の吸着はLANGMUIRの吸着等温式に従った。