1985 年 32 巻 7 号 p. 471-479
比較的大型実験装置を用い,生もみを供試材料としてパーボイルドライスの合理的な調製条件を見い出すことを目的として実験を行なった。その結果,浸漬時間,蒸煮温度(蒸煮中の材料温度),蒸煮時間および糊化積算温度などパーボイリング条件とパーボイリング処理後のもみの乾燥速度および玄米品質との間に相関関係があることを知った。パーボイリング処理を行うことによってもみの乾燥速度は増加し,玄米物性も各種の変化を受けることを知った。すなわち,(1) 粒厚,容積重,白度が減少する。(2) 光度が増加し,胴割率が糊化積算温度400~1000(℃・min)の範囲内で増加する。(3) 剛度,吸水率が増加する,(4) 脂肪酸度はその増加が抑制される。
良品質のパーボイルド米を少ないエネルギーで調製するためには原材料として高水分生もみを使用することが望ましい。