日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
コーヒー缶詰の耐熱性有芽胞細菌による変敗に対するショ糖脂肪酸エステル添加効果
レトルト殺菌タンパク飲料の品質保持に関する研究(第1報)
諏訪 信行久保田 春美高橋 和子町田 肇
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1986 年 33 巻 1 号 p. 44-51

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抄録

耐熱性の高い高温性有芽胞細菌Cl, thermoaceticum, B. stearothermophilus, Cl. thermosaccharolyticumの芽胞を接種した代表的なレトルト殺菌タンパク飲料であるミルクコーヒーの変敗に対する食品乳化剤の添加効果を検討した.
(1) F0 20~30という通常のミルクコーヒー缶詰の殺菌条件では,ショ糖脂肪酸エステルP-1670, S-1670を500ppm添加することによりミルクコーヒーの変敗を防止できることが判明した.また,500ppm以上添加することにより,加熱殺菌条件を緩和できることが示された.
(2) ショ糖脂肪酸エステルの中では,ステアリン酸モノエステルS-1670よりもパルミチン酸モノエステルP-1670は約2倍の変敗防止効果を有することが認められた.
(3) ポリナキシエチレンソルビタンモノパルミテート,ポリグリセリンモノパルミテート,グリセリンモノパルミテートのミルクコーヒー変敗防止効果は殆ど認められなかった.

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© 社団法人 日本食品科学工学会
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