1986 年 33 巻 10 号 p. 729-733
コーヒーに含まれるトリゴネリンとカフェインの簡便な同時定量法を検討し次のような結果が得られた.
(1) トリゴネリンとカフェインはセファデックスG 15カラムクロマトグラフィー(1.65×40cm)でよく分離された.
(2) 測定を阻害するポリフェノール成分の殆んどはポリアミド処理で除去された.
(3) 少量溶出する黄色色素の影響を除くために,溶出液の270と300nmの吸光度の差を測定し,同様にして作製した検量線から含量を算出することにした.
(4) 上記の結果に基づいて,セファデックスG 15の上にポリアミド(3.2g)を重ねた1本のカラムに,コーヒー豆抽出液1mlをかけ,蒸留水で展開溶出し,溶出画分の270と300nmの吸光度の差からトリゴネリンとカフェイン量を測定する簡易同時定量法を確立した.