抄録
近赤外分光法を用いて米粉中のたん白及び4種のアミノ酸(アスパラギン酸,グリシン,アラニン,リジン)の測定を行った.同一粉砕条件下では,たん白含量の多い米粉ほど粒度が粗く吸光度が大きくなる.近赤外は米たん白に対し小麦たん白と同程度に感度を有する.微分スペクトルにより粒子径の差による影響を補償することが可能である.たん白の測定には十分な精度を有し,その実用性が確認されたが,アミノ酸に関しては良好な結果を得たものの,たん白との関連で間接的な測定である可能性もある.1次微分より2次微分を用いたキャリブレーションによる未知試料の測定において,バイアスが大きくなる傾向があった.