日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
FPDを用いるガスクロマトグラフィーによるアリルからし油とβ-フェネチルからし油の同時定量法
小嶋 操浜田 浩利光 典子
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1986 年 33 巻 2 号 p. 155-160

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抄録

FPDを用いるガスクロマトグラフィーによるアリルからし油とβ-フェネチルからし油の同時定量法を検討した.カラム充填剤には5% PEG 20M/Chamelite CSを,内部標準物質にはチオナフテンとフエニルからし油を,溶媒にはn-ヘキサンを用いた.アリルからし油またはβ-フェネチルからし油濃度x(w/v%)と内部標準物質のピーク面積(PA)に対するからし油のPAの比yとの間には,〓y=ax+bおよびy=cxd(ただしa~dは定数)の関係式が成立し,この関係式を用いてxを求めることが可能なことを知った.西洋わさび粉に応用し,加水分解物のn-ヘキサン抽出液について行ったところ,上の両式に基づいて計算した定量値にはほとんど差はなく,チオナフテンとフェニルからし油を用いて計算した値にもほとんど差がなかった.したがって,アリルからし油とβ-フェネチルからし油の同時定量が可能になった.

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