日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
近赤外拡散反射法による大豆中の7S,11Sグロブリンの測定
趙 来光岩元 睦夫斎尾 恭子
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1987 年 34 巻 10 号 p. 666-672

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抄録

大豆の主な貯蔵蛋白質成分である7S, 11Sグロブリンとその含量比11S/7Sの測定に対する近赤外拡散反射法(近赤外法)の可能性について検討した.
脱脂大豆フレークより分離した7Sと11S画分の近赤外スペクトルを測定し,それぞれの特性吸収波長を求めた一方,粉砕した国産大豆にっき同様に近赤外スペクトルを測定し,7Sと11S画分のものと比較した.
超遠心分析法により得た粉砕大豆18個体の7S, 11Sの分析値と近赤外スペクトルの2次微分値との間で重回帰分析を行いキャリブレーションを作製した.
得られたキャリブレーションを用い,8個体中の7S,11Sおよび11S/7Sの値を測定し,超遠心分析値との標準誤差を求めた結果,それぞれの成分において1.39%, 1.32%および0.10の精度であり,近赤外法が大豆中の7S, 11Sの含量およびその比11S/7Sの迅速測定に十分使いうることを確認した.

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© 社団法人 日本食品科学工学会
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