日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
グルコサミン褐変物質の抗酸化性におよぼすアミノ酸,有機酸及び糖の影響
小柳津 周
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1988 年 35 巻 12 号 p. 846-850

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抄録

遊離グルコサミンとアミノ酸,糖及び有機酸を添加し, 37℃に30日間放置褐変させたものと,上記の溶液の褐変条件を100℃で30分間及び60分間加熱褐変させたものを試料とし,抗酸化性及びその性状を測定し,次のような結果を得た.
(1) 各条件下で調製した褐変溶液は,遊離グルコサミン単独の褐変溶液よりも強い抗酸化性を示したものが多かった.
(2) 各条件下のもっとも強い抗酸化性は, 37℃, 30日間放置褐変では,アミノ酸添加区のロイシン区,糖添加区のグルコース区,有機酸添加区のコハク酸区であり,100℃, 60分間加熱では,同様にロイシン区,グルコース区,アスコルビン酸区であった.
(3) 加熱温度及び時間の影響は,温度が高く,時間が長いほど抗酸化性あるいは褐変度が増大した.さらに,加熱温度が高いと還元力は増大し,逆に,アミノ糖は.早く消失した.

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© 社団法人 日本食品科学工学会
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