日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
ニンジンのカロチノイド色素の系統間差異
渡辺 慶一斎藤 忠雄広田 才之高橋 文次郎
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1988 年 35 巻 5 号 p. 315-326

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抄録

ニンジンの各系統品種のカロチノイド組成をカラムクロマトグラフィー,薄層クロマトグラフィーにより測定した結果,赤色系,榿色系,黄色系の各系統のカロチノイドは生成量及びその種類に相異があり,以下のような結果を得た.
(1)赤色系の‘早生金時’,‘本紅金時’は主要は色素としてリコピンを80~14Oμg/g含有していた.そのほか,キサントフィル類,フィトフルエン, α-カロチン, β-カロチン及びζ-カロチンが検出された.
(2) 榿色系の‘黒田五寸’では, α-カロチン, β-カロチンが主要色素で,そのほかフィトフルエン,姶カロチン,キサントフィル類及びリコピンが検出された.
(3) 黄色系の‘シマニンジン’ではキサントフィル類が主要な色素で,そのほか微量のフィトフルェン, α-カロチン, β-カロチン及びリコピンが検出された.

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© 社団法人 日本食品科学工学会
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