1989 年 36 巻 7 号 p. 563-568
マイワシの食品としての利用開発のため,消費拡大の妨げとなる魚臭の改善についていくつかの試みを行った.
(1) マイワシ肉のpHを中性にすることにより,魚臭が軽減した.特に塩基牲アミノ酸(リジン・アルギニン)が有効であった.
(2) BHTやトコフェロールなどの抗酸化剤は魚臭の改善にはあまり効果がなかった.
(3) サイクロデキスリンは魚臭除去効果を示したが,ミルクカゼインおよび大豆タンパクには除臭効果は認められなかった.
(4) フェノールフラボン類はマイワシ臭に対し除去効果を示した.
(5) 酵母アルコールデヒドロゲナーゼおよびアルデヒドデヒドロゲナーゼによる魚臭の改善はできなかった.
(6) 高圧炭酸ガスによる脱脂は,魚臭の改善に有効であることを認めた.