蒲鉾品質の制御への応用を目的とし,蒲鉾のゲル強度と蒸気加熱条件の関係について動力学的解析を試みた.魚肉中に4成分(生の,ゲル化可能な,ゲル化不能な,ゲル化した成分)を想定し,加熱によって生の成分はゲル化可能な成分となり,さらにゲル化不能な成分またはゲル化した成分になるというゲル化反応を仮定した.そして,ゲル強度に及ぼす加熱温度と加熱時間の関係を動力学的に解析し,実験データに合うよう各反応定数と濃度を算出した.算出された各値を用いたシミュレーション結果は,ゲル強度と加熱条件の関係をうまく説明できた.