日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
自動制御装置による蜜漬け粒餡の製造条件
安部 章蔵井山 満雄
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1990 年 37 巻 6 号 p. 463-467

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抄録
蜜漬け粒餡の製造は,和菓子製造の中でも最も熟練を要するもののーつである.そこで,マイクロコンピューター制御による蜜漬け粒餡の製造条件を数値化あるいは領域化することを試みた.
(1) 煮熟した小豆に芯が生じないしょ糖水溶液の濃度と温度の関係は,濃度が60, 70及び80% (w/w)のときには温度を各々70, 80及び, 90℃以上に設定する必要がある.
(2) しょ糖水溶液の濃縮速度は, 40%から45%まで高めるのに3時間以上要し,濃縮の設定最高温度は80~85℃の範囲にするのがよい.
これらの条件をマイクロコンピューター4)に入力し,その装置による試作テストをレたところ,硬いと感じる90gf/cm2以上のものはなかった.この方法による製造は,夜間無人運転を可能にするもので,早朝製品化できる.
本製造法及び装置は,特許出願中(“調味食品の製造方法及びその装置”特許昭58-238242)である.
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© 社団法人 日本食品科学工学会

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