日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
超音波カッターによる食品の物性測定試料の調製
山野 善正仲原 貴生三木 英三合谷 祥一
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1991 年 38 巻 11 号 p. 1033-1037

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抄録

包丁と超音波カッターで切断した測定試料について,切断方法の違いによる試料への影響を,クリープメーターを用いて粘弾性を測定し,写真機及び電子顕微鏡により観察したところ,次の結果が得られた.
(1) カステラ,チーズでは,超音波カッターと包丁の切断方法の違いにより,瞬間弾性,遅延弾性,遅延粘性,定常粘性に差が認められた.特にカステラでは,その差が大きく,スポンジ状食品では,超音波カッターは非常に有用であると考えられる.
(2) かまぼこでは,超音波カッターと包丁での切断方法の違いによる,明確な差は認められなかった.
(3) カステラ,キュウリの切断表面の電子顕微鏡観察では,超音波カッターと包丁の切断方法の違いにより表面の凹凸に差が認められた.しかし,チーズ及びかまぼこでは,切断方法の違いによる,表面の凹凸の差は認められなかった.

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© 社団法人 日本食品科学工学会
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