日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
塩漬した豚肉の食味に及ぼす煮熟条件の影響
豚肉の塩漬に関する研究(第5報)
塚正 泰之福本 憲治峯岸 裕阿武 尚彦赤羽 義章安本 教傳
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1991 年 38 巻 6 号 p. 484-490

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抄録

ハム,ソーセージの品質は塩漬条件ばかりでなく,煮熟条件によっても影響されることから,煮熟条件がハム,ソーセージの諸成分や食味に与える影響について検討した.
塩漬肉を煮熟するときの温度,時間により,ソーセージのpH,残存亜硝酸根量,色調,遊離アミノ酸量,食味に種々の違いの生じることが認められた.
煮熟によりソーセージのpHは上昇した.残存亜硝酸根は温度に依存して速やかに減少した.ソーセージの色調は亜硝酸塩添加系で優れていた.
塩漬肉を55℃, 65℃, 80℃で煮熟を行なった結果,試料中の遊離アミノ酸量は,55℃で最も多く,65℃以上では,加熱分解により減少することが認められた.
煮熟条件をかえて調製した試料の食味について,官能検査を実施した結果,亜硝酸塩使用の有無も食味の評価に影響を及ぼすことが認められた.

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