日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
中国産新種ワサビ(Hilliella shuangpaiensis)の辛味成分にっいて
伊奈 和夫呉 建生衛藤 英男八木 昭仁木島 勲
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1993 年 40 巻 12 号 p. 859-862

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抄録
(1) 中国産新種ワサビ(Hilliella shuangpaiensis)の辛味成分をガスクロマトグラフィーで調べた.
(2) 中国産ワサビの辛味成分の主生成物は,アリルイソチオシアナートでありβ-フェニルエチルイソチオシアナートも多く含んでいた,このことは,西洋ワサビと似ている.しかし,ブチルイソチオシアナートが検出されず, 4-ペンテニルイソチオシアナートおよび5-ヘキセニルイソチオシアナートを多量に含んでいるのが特徴であった.さらに,沢ワサビにおいて重要なω-メチルチオアルキルイソチオシアナート(7-メチルチオヘプチルイソチオシァナート他)も含んでおり,沢ワサビ系統の特徴も有していた.
(3) 中国産ワサビの辛味成分の種類と含量から,沢ワサビと西洋ワサビの両方の特徴を併せ持った興味あるワサビであることが分かった.
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© 社団法人 日本食品科学工学会

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