1993 年 40 巻 3 号 p. 210-213
大豆種子に含まれるサポニンのうち,モノデスモシドサポニン(Bb, Bb′, B-G)の含水エタノール,緩衝液中での溶解度を測定した.含水エタノール中でのBb溶解度は60%エタノール(v/v)の時に最も高かった.Bb溶解度に対するpHの影響について調べた結果,酸性側では低く,アルカリ側で比較的高く,pH 7.1付近に変曲点をもった溶解度曲線を示した.一方,Bb′, B-Gは検出限界以下で,緩衝液に対する溶解度は極めて低いことがわかった.この緩衝液にビスデスモシドサポニンであるAbを添加したところ,Bbのみならず,Bb′, B-Gにおいても溶解度の上昇が見られた.