日本食品工業学会誌
Print ISSN : 0029-0394
アミノ酸の加熱による変化(第1報)
リジンおよびスレオニンの加熱による変化
前田 清一佐々木 裕鎌田 光雄吉越 昭雄
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1962 年 9 巻 7 号 p. 279-284

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抄録

リジンおよびスレオニンと糖類とを各種pH値で共存させ,加熱してつぎの結果がえられた。
1) 一般にpH値が高いほど溶液の着色度は増加し,同時にpHは低下した。糖とリジンとの共存下での着色度は,スレオニンとの共存下の場合よりも大であった。
2) リジンと共存下での糖類の破壊はpH 7からおこり,100℃においてその破壊率は,pH 7, 9では糖類単独およびスレオニンと糖類と共存する場合での値よりも高く,pH 11では同じであった。
3) リジンおよびスレオニンは糖類共存下で酸性側では安定であったが,pH 7から破壊され, pHが高くなるほどその破壊率は増大した。リジンの方がスレオニンよりも破壊率は大であった。

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