抄録
今井正が 1953 年に撮影した映画『にごりえ』は、樋口一葉の三つの小説『おおつごもり』『にごりえ』『十三夜』を題材にしている。これらの作品に対してインターテクスチュアリティ分析を行うことにより、共建インターテクスチュアリティ、共向インターテクスチュアリティ、共構インターテクスチュアリティの観点から、作者と監督のフェミニズム叙述に対するイデオロギーを垣間見ることができる。また、これが明治時代における日本近代フェミニズムの構築に深い影響を与えたことをさらに深く分析し、中国の女性文学の叙述や女性映画の語りにも文化的詩学の視点から示唆を与えることができる。