2023 年 82 巻 2 号 p. 77-85
近年の分子標的薬,免疫チェックポイント阻害剤などの新規治療法の登場に伴いがん治療成績が向上し,結果的にがんサバイバー数の急増が起きている.小児がんサバイバーのフォローアップ研究から,生命予後は向上し,がん薬物療法や放射線の心毒性も減少したが,アントラサイクリン系薬剤を中心とした晩期合併症としての心血管系障害が課題として示されている.本稿では,1)腫瘍循環器の歩み,2)腫瘍循環器ニーズの背景,3)がん治療関連心機能障害の概念,4)がん治療関連心機能障害診断のための検査,5)がんサバイバーに関する最近の研究,6)腫瘍循環器領域での小児がん長期フォローアップの試み,を内外のガイドラインと小児がんサバイバーの最近の重要研究を中心に解説し,この新たな学際領域の重要性を強調した.