2026 年 85 巻 2 号 p. 89-93
90代男性のB群溶血性連鎖球菌 (GBS) による化膿性脳室炎合併髄膜炎にFilmArray®髄膜炎・脳炎パネルが有用であった1例を報告する.意識障害と項部硬直で入院し,脳脊髄液検査で細胞数9,550/μL,蛋白3,282 mg/dL,糖1 mg/dLの所見を認めた.FilmArray®により入院当日にGBSを同定し,血液培養より19時間早い起炎菌同定が可能であった,第11病日のMRIで化膿性脳室炎の合併が判明したが,ペニシリンGとレボフロキサシンの6週間投与により軽快した.FilmArray®による迅速な起炎菌同定により,バンコマイシンの早期中止(第4病日)およびペニシリンGへの変更(第5病日)が実施可能になり,本例の良好な転帰に寄与したと考えられた.