抄録
リュウキンカの発芽は,播種した翌春に生じ,成長の早い個体では 2 年目に開花が生じた. 1 個花あたりの開花は約 11 日であった.開花期間中の天候は安定せず,また気温の変動も激しかったが,花が萎凋することはなく,降雨および降雪により雄しべが濡れても未裂の葯が晴天または曇天時に裂開した.花は同形花型不和合性で受精するには花粉の媒介が必要で,送受粉はハエ目およびハチ目が担っているものと考えられた.
種子は水散布(二次散布)によって流路にそって運ばれ,実験から長期にわたり浮遊が可能であった.また,種子は水中にあっても生存が可能で嫌気発芽能を持つ可能性が示唆された.一方,種子の乾燥は発芽能に影響し,結氷する環境下では実生の初期成長に悪影響を及ぼしていて,流水を伴う水辺の環境はリュウキンカの繁殖・成長において最適かつ重要な場所であると考えられた.