抄録
近年、身体不活動は、運動習慣・運動強度・運動量といった身体活動性の程度と独立した変数として総死亡、心血管疾患、がん、Ⅱ型糖尿病等のリスクを高めることが明らかとなりつつある。労働場面においても、座位による身体不活動は解決すべき喫緊の課題である。本稿では主に労働場面にける身体不活動に焦点をあて、身体不活動の健康影響について概観する。そして、その作業管理上の解決策として人間工学領域で近年活発に議論されているsit-stand workstationに焦点を当て、最近10年の国際的な人間工学研究動向を紹介する。