2023 年 36 巻 1 号 p. 1-
19世紀後半、X線や放射能が発見され、同時に放射線障害の歴史が始まった。1987年に放射線防護の学会や委員会が設立され、のちに国際放射線防護委員会(ICRP)となり、その勧告は世界中の放射線関連法令の基本となっている。2007年の ICRP 勧告では眼の水晶体の防護基準が100mSv/5年かつ50mSv/1年とされ、日本の法令も改正された。放射線は測定可能で管理しやすいが、医療現場では診断治療の優先、防護の不備により多くの医療従事者の障害の歴史がある。