2019 年 56 巻 p. 7-13
本報告では,文部科学省の平成29年度「“KOSEN(高専)4.0”イニシアティブ」の「アグリエンジニアリング教育(研究)の導入」の採択により実施する専攻科1年生「つながり工学演習」の内容,および演習を目的に開発した植物基礎実験装置「カレ・デ・ベール(フランス語で「緑の箱」の意味)」を紹介する.農学・生物系学科がない工学系の大分高専において,植物を対象にした計測の実験及び生態データの解析をコンパクトにかつ能率的に収めた装置は,利便性に富み,植物基礎実験に有効である.本実習を含めた大分高専アグリエンジニアリングのカリキュラムの今後の修了生の輩出により,我が国の農業を工業技術から支える人材が増え,我が国農業のあり方が変わるものと期待する.