大分県理学療法学
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肥満および閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)を 合併した特発性中枢性肺胞低換気症候群(ICAHS)症例の 心不全再発予防に向けた介入
向井 雅俊
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2021 年 14 巻 p. 20-26

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抄録

【はじめに】特発性中枢性肺胞低換気症候群(Idiopathiccentralalveolarhypoventilationsyndrome:以下,ICAHS)を有する症例において,肥満や睡眠時無呼吸症候群(Obstructivesleepapneasyndrome:以下,OSAS)の合併は,心不全の増悪に影響を及ぼす可能性がある.そのため,減量や運動習慣の改善が重要である.今回,肥満およびOSASを合併したICAHS症例の心不全再発予防に向けた介入を行った.【症例提示】うっ血性心不全及びCO2ナルコーシスにより入院した30歳代の男性.体重100.0kg(Bodymassindex36.2kg/m2)と高度肥満を呈しており,入院中の完全型PolysomnographyにてOSAS,遺伝子検査にてICAHSと診断された.【方法】非侵襲的陽圧換気(Noninvasivepassivepressureventilation)から離脱し,リハビリテーション室での運動療法が可能となった後,有酸素運動及びレジスタンストレーニングに加え,スマートフォン歩数計アプリケーション(以下,歩数計アプリ)を活用し身体活動量(歩数)を自己管理し,その推移を記録した.【結果】歩数は,第24病日(計測開始日)は1037歩/日であったものの,第27病日には4580歩/日まで増加し,入院期間中は平均5200歩/日を維持していた.体重は第44病日には84.5kg(−15.5kg)まで減量した.入院期間中は,心不全の増悪なく経過良好にて第46病日に退院となった.【結語】本症例において,歩数計アプリは容易に自己管理しやすく,継続性の面では有効であった.また,日々の目標を前日の歩数とする事で,達成感を感じやすくモチベーションの維持にも繋がったと考える.減量および運動習慣の改善が図れたことは,心不全再発予防に寄与したと考える.運動習慣の改善には効果的であったが,30歳代男性の1日の身体活動量としては不足しており,適切な運動負荷の設定という点では改善すべきと感じた.

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2021 公益社団法人 大分県理学療法士協会
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