大分県理学療法学
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最新号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 皆田 渉平, 今岡 信介, 安部 優樹, 宮本 宣秀, 迫 秀則
    2021 年 14 巻 p. 1-6
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/05/14
    ジャーナル フリー
    【目的】完全内視鏡下心臓手術後のリハビリテーション経過と身体機能の改善度を明らかにすることである.【対象と方法】対象は2017年4月から2019年12月までの間に当院心臓血管外科に入院し,待機的に完全内視鏡下心臓手術を施行され,心臓リハビリテーションを実施した65歳以上の40名(大動脈弁狭窄症15名,大動脈弁閉鎖不全症10名,僧帽弁狭窄症兼閉鎖不全症10名,僧帽弁閉鎖不全症兼三尖弁閉鎖不全症5名)とした.電子カルテより後方診的に基本情報と術後経過,身体機能の改善度を調査した.【結果】術後歩行開始日数1.0(1.0-1.2)日,ICU在室日数2.0(2.0-2.0)日,在院日数19.5(17.0-22.0)日であった.身体機能として退院時SPPB点数11.0(10.0-12.0)点であった.また,退院時FIMとして合計118.0(110.0-120.5)点,運動項目83.0(76.0-87.0)点,認知項目35.0(35.0-35.0)点であり,自宅復帰率は95%であった.【結語】完全内視鏡下心臓手術後のリハビリテーション経過と身体機能の改善度を調査した.対象者は高齢であったが,術後早期の身体機能改善には効果があったと考える.
  • 吉村 有示, 今岡 信介, 佐藤 明, 家入 竜一, 折橋 夏姫, 東 義庸, 安部 優樹
    2021 年 14 巻 p. 7-13
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/05/14
    ジャーナル フリー
    【目的】心臓血管外科術後の高齢患者の身体機能低下に影響を与える要因を明らかにすることである.【方法】対象は2019年5月~2020年3月に待機的心臓血管外科手術を施行した41例.調査項目は年齢,性別,BMI,原疾患,既往歴,生化学検査値,手術関連データ,SPPB,歩行速度,握力,身体計測,MNA-SFとした.対象をSPPB維持群と低下群に分類して,単変量解析にて検討し,有意差があった項目を独立変数,SPPB低下の有無を従属変数としたロジスティック回帰分析を実施した.【結果】維持群28名(68%),SPPB低下群13名(32%)であった.SPPB低下群において歩行速度,握力,身体計測値(AC,AMC,AMA),MNA-SF,Hbが有意に低値であった.ロジスティック回帰分析の結果,AMCは術後身体機能低下の独立した因子として抽出された.【結語】術後の身体機能に影響を与える要因として術前AMCが抽出され,有症状の高齢心疾患患者に対する評価として有用性が示された.
  • 藤原 愛作
    2021 年 14 巻 p. 14-19
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/05/14
    ジャーナル フリー
    【目的】臨床実習における協同学習が,従来の学生1名に対して指導者1名の指導方法に比べて,学習の効率化につながるかを検討する.【対象と方法】当院に臨床実習を行った理学療法学科最終学年の学生4名を対象に行った.学生を2名1組にグルーピングを行い,学生の協同学習を促した.分析はアンケートの結果を単純集計し,解析を行った.【結果】本調査の回答は4名(回答率100%)から得られた.協同学習の利点については,学生同士で経験を共有しやすい,理解度の確認がしやすいなど肯定的な意見が選択された.困った点は,学生同士の話題が選択された.今後の指導法を希望は,協同学習が4名(100%)であった.【結語】協同学習は臨床実習の学習の効率化につながることや学生から受け入れが良い指導方法であることが示唆された.
  • 向井 雅俊
    2021 年 14 巻 p. 20-26
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/05/14
    ジャーナル フリー
    【はじめに】特発性中枢性肺胞低換気症候群(Idiopathiccentralalveolarhypoventilationsyndrome:以下,ICAHS)を有する症例において,肥満や睡眠時無呼吸症候群(Obstructivesleepapneasyndrome:以下,OSAS)の合併は,心不全の増悪に影響を及ぼす可能性がある.そのため,減量や運動習慣の改善が重要である.今回,肥満およびOSASを合併したICAHS症例の心不全再発予防に向けた介入を行った.【症例提示】うっ血性心不全及びCO2ナルコーシスにより入院した30歳代の男性.体重100.0kg(Bodymassindex36.2kg/m2)と高度肥満を呈しており,入院中の完全型PolysomnographyにてOSAS,遺伝子検査にてICAHSと診断された.【方法】非侵襲的陽圧換気(Noninvasivepassivepressureventilation)から離脱し,リハビリテーション室での運動療法が可能となった後,有酸素運動及びレジスタンストレーニングに加え,スマートフォン歩数計アプリケーション(以下,歩数計アプリ)を活用し身体活動量(歩数)を自己管理し,その推移を記録した.【結果】歩数は,第24病日(計測開始日)は1037歩/日であったものの,第27病日には4580歩/日まで増加し,入院期間中は平均5200歩/日を維持していた.体重は第44病日には84.5kg(−15.5kg)まで減量した.入院期間中は,心不全の増悪なく経過良好にて第46病日に退院となった.【結語】本症例において,歩数計アプリは容易に自己管理しやすく,継続性の面では有効であった.また,日々の目標を前日の歩数とする事で,達成感を感じやすくモチベーションの維持にも繋がったと考える.減量および運動習慣の改善が図れたことは,心不全再発予防に寄与したと考える.運動習慣の改善には効果的であったが,30歳代男性の1日の身体活動量としては不足しており,適切な運動負荷の設定という点では改善すべきと感じた.
  • 中野 叶
    2021 年 14 巻 p. 27-31
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/05/14
    ジャーナル フリー
    【はじめに】患者が疾患の管理を自分自身で行い,日常生活やQOLを維持し,重症化を予防するために必要な行動を起こすための動機や技術,自信(自己効力感)を育てることが重要であると報告されている.今回,本人の性格や役割に着目したセルフマネジメント教育を行うことで行動変容へ繋がった症例を経験したため報告する.【症例提示】60代前半の男性.疾患名は肺炎.既往歴としてリウマチ肺,慢性閉塞性肺疾患(以下:COPD)があり,在宅酸素療法(以下:HOT)を実施している.【方法】急性期の段階よりコンディショニングを開始し,徐々に全身持久力トレーニング・筋力トレーニングを開始.また,本人の性格を生かしたセルフマネジメント教育を実施.【結果】セルフマネジメント能力向上が図れた結果,低酸素を起こさない動作の獲得に繋がった.また,区長の役割が負担になっていると自己にて判断し,役割を他人へ引き継ぐという行動を起こした.【結語】セルフマネジメント教育は疾病管理のみでなく本人の生き方・価値観を変化させるものであり,本人の強みを生かしたアプローチが重要である.
  • ~キャリア・オリエンテーションの観点から~
    武田 知樹
    2021 年 14 巻 p. 32-38
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/05/14
    ジャーナル フリー
    【目的】臨床業務に従事する理学療法士の就業意識についてキャリア・オリエンテーション(CareerOrientation)の観点から調査を行い,キャリア支援のため知見を得ることである.【方法】対象は調査協力の得られた理学療法士180名であった.調査方法は年齢,性別等の基本属性に加えてキャリア・オリエンテーションに関する設問24項目を含む無記名式の質問紙を配布した.【結果】探索的因子分析の結果,第1因子「社会貢献(SC)とチャレンジ精神(CH)」,第2因子「起業家精神(EN)」,第3因子「組織管理(OM)」,第4因子「ライフスタイル(LS)」,第5因子「生活保障(SE)」の5つの因子(キャリア・オリエンテーション)が抽出された.各キャリア・オリエンテーションとの関連性については,30歳以上の女性では「ライフスタイル(LS)」と「社会貢献(SC)」,30歳以上の男性では「組織管理(OM)」との関連性が高かった.また,女性の場合は勤務先の職場規模にかかわらず,「社会貢献(SC)」との関連性を認めた.一方,男性の場合は職員数(理学療法士)が30名以上の比較的に大きな職場で「チャレンジ精神(CH)」,10名未満の小規模で「起業家精神(EN)」や「組織管理(OM)」とそれぞれ関連していることが確認された.【結論】理学療法士のキャリア・オリエンテーションは,性差や年齢,さらに職場規模に応じた特徴を有していることが示唆された.
  • 坪内 優太, 髙橋 兼人, 兒玉 吏弘, 井上 仁, 池田 真一
    2021 年 14 巻 p. 39-45
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/05/14
    ジャーナル フリー
    世界ではCOVID-19と呼ばれる新型コロナウイルス感染症2019のパンデミックが発生しており,日本も例外ではない.COVID-19患者の中には,重度の運動機能障害を呈する症例も報告されていることから,理学療法士には十分な感染予防対策と適切なリハビリテーションの提供の両立が求められる. 我々は2020年4月,COVID-19患者の受け入れを想定し,事前にリハビリテーション実施基準および介入方法に関する規定を作成した.その後,当院でExtracorporeal membrane oxygenation (ECMO) 導入に至った重症COVID-19患者を受け入れ,当部にもリハビリテーション実施の依頼があった.多職種・多部門間での連携を積極的に取りながら,医師・看護師を介して早期から非直接的にリハビリテーションを提供した.Polymerase chain reaction (PCR) 検査の陰性確認後は直接的介入を開始し,運動療法だけでなく,直接飛沫に十分注意を払いながら呼吸理学療法も実施した.多職種が連携することで,院内での感染拡大を防ぎつつ,シームレスなリハビリテーションを提供することができ,スムーズに自宅復帰へとつなげることができた. この報告が今後のリハビリテーション実施医療施設におけるCOVID-19対策の一助になれば幸いである.
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