大分県理学療法学
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新型コロナウイルス感染症( COVID-19) 患者に対する リハビリテーションと院内感染予防対策の実践:ケースレポート
坪内 優太髙橋 兼人兒玉 吏弘井上 仁池田 真一
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2021 年 14 巻 p. 39-45

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抄録

世界ではCOVID-19と呼ばれる新型コロナウイルス感染症2019のパンデミックが発生しており,日本も例外ではない.COVID-19患者の中には,重度の運動機能障害を呈する症例も報告されていることから,理学療法士には十分な感染予防対策と適切なリハビリテーションの提供の両立が求められる. 我々は2020年4月,COVID-19患者の受け入れを想定し,事前にリハビリテーション実施基準および介入方法に関する規定を作成した.その後,当院でExtracorporeal membrane oxygenation (ECMO) 導入に至った重症COVID-19患者を受け入れ,当部にもリハビリテーション実施の依頼があった.多職種・多部門間での連携を積極的に取りながら,医師・看護師を介して早期から非直接的にリハビリテーションを提供した.Polymerase chain reaction (PCR) 検査の陰性確認後は直接的介入を開始し,運動療法だけでなく,直接飛沫に十分注意を払いながら呼吸理学療法も実施した.多職種が連携することで,院内での感染拡大を防ぎつつ,シームレスなリハビリテーションを提供することができ,スムーズに自宅復帰へとつなげることができた. この報告が今後のリハビリテーション実施医療施設におけるCOVID-19対策の一助になれば幸いである.

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2021 公益社団法人 大分県理学療法士協会
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