大分県理学療法学
Online ISSN : 2434-5431
Print ISSN : 1349-4783
Coxitis kneeに起因する人工膝関節全置換術後の股関節機能に着目した介入により歩容改善に至った1症例
平松 亮太朗今岡 信介指宿 輝宮川 真二朗德田 一貫
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2022 年 15 巻 p. 13-19

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抄録
【目的】Coxitis knee は股関節疾患に伴い同側あるいは対側に発症する 2 次性の変形性膝関節症(膝OA)の総称であり,様々な病態の関与が考えられ,治療方針に一定の指針は示されていない.本研究の目的は,Coxitis knee を呈した人工膝関節全置換術後患者に対し,股関節周囲筋に対する介入の有効性を検討することである. 【対象】当院に入院し,右膝 OA に対して人工膝関節全置換術を施行された 60 歳代の女性. 【方法】術後早期より膝関節の介入に加え股関節周囲筋のストレッチや関節可動域練習(ROM 練習),筋力増強練習を実施し,歩容の改善を図った. 【結果】初期評価時に観察された IC ~ LR での股関節内旋運動,膝関節外反位は軽減を認め,Mst~Tstの股関節伸展運動も増加を認めた.歩行速度は0.71m/secから0.92m/secに改善し,踵離地時の Trailing Limb Angle も 5.6°から 10.1°に改善し歩容の改善も観察された. 【結語】Coxitis knee を呈した人工膝関節全置換術後患者に対しては,股関節周囲筋に対する介入は有効である可能性がある.
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2022 公益社団法人 大分県理学療法士協会
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