大分県理学療法学
Online ISSN : 2434-5431
Print ISSN : 1349-4783
15 巻
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  • 皆田 渉平, 工藤 元輝, 安部 優樹, 今岡 信介
    2022 年15 巻 p. 1-7
    発行日: 2022/03/01
    公開日: 2022/09/27
    ジャーナル フリー
    【はじめに】 約6ヶ月間の透析中運動療法が継続可能であった外来透析患者10例を対象に運動療法の効果を検証することを目的とした. 【対象と方法】 対象は,2019年4月から2019年12月までの期間に外来透析患者の内,透析中運動療法を実施した連続19例において,約6ヶ月間継続できた10例を対象とした. 介入前後における基本情報,血液検査,血管機能検査,身体機能評価を後方視的に調査した. 【結果】 約6ヶ月介入経過においてAlbumin,Total cholesterol,HDL cholesterolの項目において有意に低下した.身体機能検査は,握力が有意に改善した.透析中運動療法時の有害事象は認めなかった. 【結論】 透析中の運動療法は低負荷のレジスタンストレーニングにて身体機能の維持,向上に繋がる可能性が示唆された.
  • 手老 泰介, 皆田 渉平, 工藤 元輝, 柳原 滉太, 今岡 信介
    2022 年15 巻 p. 8-12
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/09/27
    ジャーナル フリー
    【目的】非外傷性小切断患者の足趾切断前後での歩行状態の変化を明らかにすること. 【対象】2018 年 10 月~ 2021 年 4 月までに形成外科病棟に入院した非外傷性小切断患者のうち,術前と術後にシート式足圧接地測定装置を用いて歩行評価が可能であった 7 例とした. 【結果】術前の歩行速度は,0.4 ± 0.3m/sec,歩幅は,33.6±16.2%,歩行率は 80.1±27.5steps/min であった.術後の歩行速度は,0.3 ± 0.1m/sec,歩幅は 26.6±7.2%,歩行率は,75.2± 24.7steps/min であった. 【結論】非外傷性小切断患者は,小切断後は,歩行速度,歩幅,歩行率の低下を認めた.
  • 平松 亮太朗, 今岡 信介, 指宿 輝, 宮川 真二朗, 德田 一貫
    2022 年15 巻 p. 13-19
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/09/27
    ジャーナル フリー
    【目的】Coxitis knee は股関節疾患に伴い同側あるいは対側に発症する 2 次性の変形性膝関節症(膝OA)の総称であり,様々な病態の関与が考えられ,治療方針に一定の指針は示されていない.本研究の目的は,Coxitis knee を呈した人工膝関節全置換術後患者に対し,股関節周囲筋に対する介入の有効性を検討することである. 【対象】当院に入院し,右膝 OA に対して人工膝関節全置換術を施行された 60 歳代の女性. 【方法】術後早期より膝関節の介入に加え股関節周囲筋のストレッチや関節可動域練習(ROM 練習),筋力増強練習を実施し,歩容の改善を図った. 【結果】初期評価時に観察された IC ~ LR での股関節内旋運動,膝関節外反位は軽減を認め,Mst~Tstの股関節伸展運動も増加を認めた.歩行速度は0.71m/secから0.92m/secに改善し,踵離地時の Trailing Limb Angle も 5.6°から 10.1°に改善し歩容の改善も観察された. 【結語】Coxitis knee を呈した人工膝関節全置換術後患者に対しては,股関節周囲筋に対する介入は有効である可能性がある.
  • 有馬 奈穂, 安藤 将孝, 川井 康平
    2022 年15 巻 p. 20-26
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/09/27
    ジャーナル フリー
    【はじめに】Extension thrust pattern と Recurvatum knee pattern を有する脳卒中片麻痺患者に対する,歩容改善を目的とした課題指向型アプローチの有効性について報告する. 【症例提示】アテローム血栓性脳梗塞(左尾状核~被殻)により入院した 50 歳代女性.発症から,66 日経過.歩行は見守りレベルであったが,Extension thrust pattern とRecurvatum knee pattern といった歩容の課題を認めた. 【方  法】Gait Solution Design(以下 GSD と称す)を使用した T-cane 歩行練習や筋力増強練習と併せて,動作学習理論に基づいた各歩行相における Step 練習を 2 ヶ月間実施した.効果判定として三次元動作解析装置および床反力計を用いて,関節角度,関節モーメントを算出し,介入前後で比較した. 【結  果】立脚中期における麻痺側膝関節伸展・麻痺側股関節伸展モーメントが増加し,体幹伸展,麻痺側足関節背屈・麻痺側膝関節屈曲角度の拡大を認め,Extension thrust pattern の改善を認めた.また,前遊脚期における麻痺側立脚後期の股関節屈曲モーメントが増加し,体幹・麻痺側股関節伸展角度,麻痺側足関節背屈・麻痺側膝関節屈曲角度の拡大を認め,Recurvatum knee pattern の改善を認めた. 【結  語】個々の問題点に対して,課題指向型アプローチを実践し,体幹・股関節などの Passenger Unit が安定したことで,歩容改善に繋がった.
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