抄録
【目 的】 当院での腹部大動脈瘤(以下;AAA)術後患者のリハビリテーション(以下;リハ)進 行状況と身体機能の変化を明らかにすること.
【対 象】 2020 年 10 月から 2022 年 12 月までに AAA に対して待機的人工血管置換術を施行し た患者 13 例.
【方 法】 調査項目は,基本情報として年齢,性別,身長,体重,Body Mass Index(以下; BMI).術後経過として集中治療室(以下;ICU)在室日数,在院日数,術後リハ経過 として術後端座位開始日数,術後起立開始日数,術後歩行開始日数,100m 歩行自立日数, 術後経口摂取開始日数を後方視的に調査した.身体機能検査として握力検査,Short Physical Performance Battery(以下:SPPB)を後方視的に調査した.
【結 果】 リハ進行状況は,術後歩行開始日数 1.0 日(1.0-2.0),術後経口摂取開始日数 2.8 ± 0.9 日,100m 歩行自立日数 4.0 日(4.0-8.8)であった.身体機能の変化は,術前後で有 意差を認める項目はなかった.
【結 語】 術後早期離床や早期経口摂取の開始,術後合併症の有無がリハ進行に影響を与えた可能 性がある.