抄録
【目的】 仙腸関節障害に対する swing-石黒法の治療効果を検討した.
【対象と方法】 対象は6名(うち男性1名),平均年齢42.5歳(29-61歳)であった.開始時と 終診時に日本整形外科学会腰痛疾患質問票(以下,JOABPEQ)と腰痛,殿部の痛み,痺れの visual analogue scale(以下,VAS),仙腸関節スコアについて評価した. Swing- 石黒法は,原著者の報告に準じて実施した.
【結果】 開始時 JOABPEQ の中央値は,疼痛37.5 点,腰椎機能50.0点,歩行機能75.0点,社会生活54.1 点,心理56.3点,VASの平均値は,腰痛47.7mm,殿部下肢痛62.5mm,痺れ25.1mm,仙腸関節スコアは平均6.5点であった.
経過は,2名が即時に症状軽快して再来院がなかった.4名66.7%に対して終診時に再度評価が行えた.JOABPEQで20点以上の改善を疼痛,腰椎機能にそれぞれ2名に認め,VAS の平均値は腰痛 21.8mm,殿部下肢痛12.0mm,痺れ 20.0mm,仙腸関節スコアは平均1.8 点へと改善した.
【結語】仙腸関節障害に対するswing- 石黒法は,簡便な手技で即時効果も得られる有用な手技である.