大分県理学療法学
Online ISSN : 2434-5431
Print ISSN : 1349-4783
心不全が合併し理学療法に難渋した重複障害を有した化膿性膝関節炎術後の一症例
朝木 茉耶平松 亮太朗皆田 渉平今岡 信介
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2024 年 17 巻 p. 34-41

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抄録
【目 的】 化膿性膝関節炎に対する治療方法に関連する報告はあるが,治療後の理学療法経過およ び術後の身体機能の経過に関する報告は極めて少ない.本研究の目的は,重複障害を有する化膿性膝関節炎術後症例の経過について考察を加え報告することである. 【対 象】 当院に入院し,左化膿性膝関節炎に対して手術された 73 歳の女性. 【方 法】 術後に疼痛が強く,離床が遅延した結果,心不全を併発し歩行開始までに期間を要した.術後経過を膝関節の疼痛管理,心不全の重症化予防,離床開始期に分けて各病期に応じ た介入を行った. 【結 果】 ベッド上安静の状態から術後 82 日目で基本動作の起居動作・起立動作は中等度介助,移乗動作は 1 人全介助,歩行器での短距離歩行は軽介助で可能となった. 【結 語】 重複障害を有する化膿性膝関節炎術後症例では,膝関節局所だけでなく,検査データや 身体所見などの全身状態を把握した理学療法介入を行う必要がある.
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2024 公益社団法人 大分県理学療法士協会
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