理論と方法
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研究ノート
不平等度の高い集団の比率とジニ係数の変化
盛山 和夫
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2006 年 21 巻 2 号 p. 333-342

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抄録

本稿は、複数の部分集団からなるときの全体ジニ係数が集団比率の変化によってどう影響されるかを考察する方法について、浜田論文(2005)のように対数正規分布という特殊な仮定をおくことなく、より一般的な条件の下で定式化し、二集団からなるとき、集団比率の関数としての全体ジニ係数のグラフが、集団間ジニ係数の相対的な位置によって3種類に分けられることを示すものである。その一般的条件とは、集団内の分布のしかた(テクニカルにいえば、分布関数ないし密度関数)が不変に保たれたままで、集団比率ないし集団規模が変化するという条件であり、対数正規分布の仮定はこの特殊ケースをなしている。

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© 2006 数理社会学会
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