抄録
現在複数の研究グループが社会的交換ネットワークにおける権力の分布を研究しており、1980年代後半から、ネットワーク内での権力分布の予測方法についての論争が続けられてきた。本論文では、現在の論争の引き金となったEmersonの権力依存理論に基づくCook/Yamagishiらの研究グループと、Willerの要素理論に基づくWiller/Markovskyらの研究グループとの論争に焦点をあててこれまでの経過を概括し、前者の立場からの新しいアルゴリズムを提出する。更に、これまでの論争では不十分だった理論の一般性の比較を、様々なネットワークについて行い、新たに提唱された「等依存アルゴリズム」の優位性を示す。