抄録
帝京大学NICU退院後に発達外来を受診した修正月齢6カ月から12カ月の180名のべ297名 (男児181名, 女児116名) を対象に, 共同注意の獲得状況を検討した. 方法は, 新たに考案したもので, 保護者の膝の上に抱かれ, 検者と向き合った乳児が, 検者の視線の移動に合わせて視野内に位置する対象物に視線を移すか否か, また, 対象物に移した視線を再び検者に戻すか否かで判断した. 共同注意は6カ月児でも60%に見られ, 9カ月児では91%と高率に見られた. 6カ月児では男児に有意に多く認めた. 本法は, 簡便で時間も要さないため, 共同注意を評価する健診手技として乳児健診においても利用出来ると思われた.