2011 年 43 巻 4 号 p. 300-303
出生時より巨大色素性母斑, 限局性皮質形成異常を認めた男児例を経験した. 3カ月時より難治性てんかんを発症し精神遅滞を伴った. 2歳時に施行したMRIで, 右側頭葉から頭頂後頭葉にかけて広範な大脳皮質構造の異常と, 左右小脳半球にT1強調像でメラニン沈着と考えられる高信号域を認め, 限局性皮質形成異常を合併した神経皮膚黒色症と診断した. 皮膚, 脊髄馬尾の脂肪腫, 角膜縁の類皮囊腫の他に, 線状皮脂腺母斑症候群の特徴である頭皮, 顔面の脂腺母斑も合併しており, 両疾患の併存の可能性も考えられた.