2016 年 48 巻 1 号 p. 34-36
症例は, 在胎37週0日, 2,114gで出生した男児. 母親は, 妊娠32週から羊水過多を指摘された. 妊娠37週0日に破水し, 胎児徐脈になり, 緊急帝王切開で出生した. 出生時, 筋緊張は著しく弱く, 全身チアノーゼを認め, 心拍は聴取せず気管内挿管後, 人工呼吸管理を行った. その後, 日齢10に乳び胸を合併した. 生後3カ月時に施行した右上腕二頭筋の筋生検像で, ほぼ全ての筋線維がperipheral haloを有しており, MTM-1遺伝子変異を確認し, X-linked myotubular myopathyと診断した. 生後5カ月時に気管切開術を施行し, 1歳5カ月時に在宅医療に移行した. 新生児の乳び胸に際しては, 本疾患も念頭に置くべきと考えられた.