脳と発達
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症例報告
非典型的症状を示したbrain-lung-thyroid syndromeの1例
小島 泰子跡部 真人青木 雄介鈴木 基正糸見 和也田中 達之齋藤 伸治
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2021 年 53 巻 1 号 p. 44-48

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抄録

 脳・肺・甲状腺に病変を発現するbrain-lung-thyroid syndrome (BLTS) は, 舞踏運動様の不随意運動を特徴とする稀な疾患である. 症例は3歳男児で, 舞踏運動を伴わず, 筋緊張低下, 失調歩行および吃音を主訴に受診した. 先天性甲状腺機能低下症があり, 乳児期から喘鳴を伴う呼吸障害を反復したため, BLTSを疑いターゲットシークエンス法で解析しNKX2-1遺伝子にナンセンス変異c.664G>T (p.Glu222Ter) を認め診断した. 呼吸器疾患・甲状腺疾患を合併した症例において, 舞踏運動以外の神経症状にも着目することがBLTSの診断において重要と考えた.

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© 2021 一般社団法人日本小児神経学会
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