脳と発達
Online ISSN : 1884-7668
Print ISSN : 0029-0831
ISSN-L : 0029-0831
症例報告
Pyridoxal phosphateが一時的に有効であった早期乳児てんかん性脳症7型の1例
萩田 美和宮田 世羽中川 栄二武田 良淳吉橋 博史本田 雅敬武内 俊樹小崎 健次郎岡 明楊 國昌
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 53 巻 2 号 p. 137-141

詳細
抄録

 ピリドキサールリン酸 (pyridoxal phosphate ; PLP) が一時的に有効であった早期乳児てんかん性脳症7型 (EIEE7 : MIM#613720) の症例を経験した. 日齢1に眼球偏位を伴う全身性の強直発作が群発し, 発作時脳波で異常を認めた. Phenobarbital (PB) で発作は減少したが, 日齢50に強直間代発作が群発した. PLPを開始後3日間で発作が消失し, 脳波所見も著明に改善した. 臨床的にピリドキシン依存性てんかん (PDE) と診断したが, 10か月時に発作が再燃した. 4歳時に測定した血漿・髄液中のピペコリン酸とαアミノアジピン酸セミアルデヒドの上昇はなく, ALDH7A1遺伝子の変異も認めず, PDEは否定的と考えPLPを中止した. 5歳時に行った全エクソーム解析でKCNQ2遺伝子にヘテロ接合性フレームシフト変異 (NM_172107.2 : c.2032dup [p.Glu678Glyfs187]) をde novoで認めEIEE7と診断した. 本変異は過去に報告のない新規変異である. 近年PLPが著効したEIEE7の報告が多くみられ, PDEの鑑別診断としてEIEE7が強調される. EIEE7の神経発達予後を改善するにはより早期の発作消失が重要であり, PLPは電位依存性Naチャネル抑制薬に続く第二選択薬あるいは併用薬として早期に投与を検討する価値があると考える.

著者関連情報
© 2021 一般社団法人日本小児神経学会
前の記事 次の記事
feedback
Top