2021 年 53 巻 5 号 p. 348-353
Lacosamideは新しい作用機序をもつナトリウムチャネル遮断薬である. 小児てんかんへの有効性は, 難治例を含んでもレスポンダー率 (50%以上の発作頻度減少症例率) は約50%, 発作消失率は15〜20%とされる. 単剤使用も可能である. 他剤との相互作用の少なさ, 皮疹を含め重篤な副作用の少なさ, それによる長期の安全性も特徴である. 当センター116例の焦点性発作における検討も同様の結果であったが, 自ら症状を訴えられない低年齢児の副作用には一定の注意が必要と考える. 認知行動面に関しても影響は少ないとされる一方, 妊娠への影響は示唆されている. Lacosamideは, 特徴を知ることで発達過程の小児期において有用な選択薬となるだろう.