2021 年 53 巻 5 号 p. 380-381
小児科医でありDown症児の父親でもある著者が新型出生前診断 (NIPT) について, 自分自身の経験を元に著す. 検査は出生前の心構えを持つというだけではなく, 障害の拒否や排除につながる可能性を持っており, 慎重に判断されるべき医療行為である. NIPTを広く行うためには国民的議論が不可欠と言われていたが, 十分に議論されないままに実施拡大に向かう危惧を持っている. 社会的な啓蒙をすることで, 一定の割合で生じうる障害の 「排除」 ではなく 「受容」 が出来るような社会になることが望ましいと考えている.