抄録
先天性非進行性ミオパチーと考えられていた8才の男児に,左上腕二頭筋より筋生検を施行し,先天性筋線維タイプ不均等症と診断しえたので報告する.本症例は,独歩開始がやや遅く,歩行開始後も動揺性歩行があり,登はん性起立も認められた.筋萎縮は,顔面を除く躯幹,四肢近位筋に存在した.血清酵素の異常もなく,筋電図にも特異的な変化は認めなかった.筋組織像では,基本構築の乱れはなく,タイプ1線維の小径と優位を認め,ヒストグラムで特異的なパターンを示した.また,IIB,IIC線維の著減があり,中心核線維が1,II線維ともに高頻度に認められた.