脳と発達
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小児CTスキャン判読上の問題点
脳外科の立場から
中田 義隆榎本 貴夫牧 豊
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1979 年 11 巻 2 号 p. 132-137

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抄録
I. 15才未満で一般状態良好, 神経学的異常所見なく, CT上も著変のない181例をいわゆる正常群として年齢的に検討した.II.正常小児のCT像の加齢的特徴は1. 乳児では前頭葉前面, 正中部に低吸収帯がみられ, シルビウス裂溝の描出もよい.側脳室前角の型はY型で, 下角の描出もまれではない. 2. 加齢とともに髄液腔は縮小するが, 3. 12才より再び増加傾向をしめす. III. 両側硬膜下液貯留と脳萎縮の鑑別は, 前者は1.脳表低吸収帯の脳実質側が比較的凹凸がすくない. 2. 脳溝が浅い. 3. シルビウス裂溝が正常, 縮小をしめすことがあるのに対し, 後者は1. 脳表低吸収帯の脳実質側が不規則波状で, 2. 脳溝は深く10mm以上のものがある. 3. 正中部低吸収帯が全長に及ぶことがあり, 4. シルビウス裂溝は拡大している.
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© 日本小児小児神経学会
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