脳と発達
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抗てんかん薬の血中濃度測定の必要性
生体の個人差および薬剤の剤型の面から
高木 誠一郎黒川 徹花井 敏男中尾 泰史青山 敏信
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1979 年 11 巻 6 号 p. 548-553

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抄録
旨単剤または他の抗てんかん薬と併用してフェノバルビタールを服用中の78例, フェニトインの19例, カルバマービピンの21例のてんかん患者についてその血中濃度を測定した. そのうちフェノバルビタール服用例の60%, カルバマゼピンの14%が治療有効濃度域内にあった.フェニトインについては測定した全例が治療有効濃度といわれる10-20μg/mlに達していなかった. なおフェニトインは個人差に加え, 投与されている薬剤の性状-とくに粒子径によっても血中濃度が変化することを認めた. 個人差のみならず, 薬剤の剤型の面からみても抗てんかん薬の血中濃度は測定されるべきである.
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© 日本小児小児神経学会
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