1982 年 14 巻 2 号 p. 156-162
てんかん児に対する予防接種の問題点につき, 現在までにえられた知見の概要および日本小児神経学会評議員のうち小児科関係の方々の御協力によるアンケート調査成績を述べ, これらをふまえて現時点におけるてんかん児に対する予防接種対策案を述べた.
てんかん児に対していたずらに予防接種を回避することには問題がある.予防接種の種類による有効性, 必要性, 副反応の強弱, およびてんかん児の個体側要因との組合せによって個々の予防接種施行の可否を決定すべきであり, 本問題につき行政へのすみやかな反映を切に望むものである.
なお, てんかん児に対する予防接種は集団接種ではなく, 個別接種で行なうことはいうまでもないことである.