熱性痙攣 (FC群) 185例, 熱性痙攣の既往を有するてんかん (FC-Ep群) 125例, 熱性痙攣の既往のないてんかん (Ep群) 340例を比較しつぎの結論を得た.
1) 熱性痙攣の臨床的特徴.FC-Ep群はFC群に比し, てんかんの家族歴および発病前よりの発達遅滞および女児が多く, 0歳または2歳以後に始まり, 最終発作はより若年で熱性痙攣が終り, Epに移行した.
2) FC群における脳波異常は1歳6%(棘波は6%), 2歳4%(4%), 3歳16%(16%), 4-5歳64%(47%), 6-7歳53%(45%), 8-9歳75%(63%), 10歳以上42%(42%) であった.
3) FC-Ep群はEp群に比し, てんかんの発病年齢は1歳以下が少なく, 14-7歳が多く, 発作型は小発作, ミオクローヌスが多く, 点頭てんかんはなかった.FC群のてんかんへの移行は4%であった.
4) 予後は, 発作がとまり服薬を中止しているものはFC群98%, FC-Ep群65%, Ep群52.1%で有意差があった.精神運動発達が正常であるものはおのおの91.7%, 77.4%, 65.9%で有意差があった.死亡率はおのおの2%, 3%, 9.1%であった.
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