1983 年 15 巻 2 号 p. 94-99
種々の疾患で心因のはたす役割は大きいが, とくに, 子どもの場合, それも年齢がひくいほど, 心因によって容易に, いろいろな精神身体的症状が出現する. しかも, 心因は客観的にとらえにくく, 診断する人によって違ってくる. すなわち, 診断する人の「おもいこみ」や「主観」に支配されやすい点がある. そこで心因によって生じる精神障害, 子どもの心因性の問題などについて説明し, 子どもの身体疾患, とくに今回は「てんかんと心因」との関係について報告する.